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リケロウ(理系老)

ひな壇の正しい位置に雛人形を配置するゲームアプリ『hinadan』 ( https://app-liv.jp/1199778491/ )の開発をしたのは、なんと81歳のおばあちゃんだった。
アプリを起動すると、ゲームの遊び方がナレーションとともに表示される。昔話を聞きながらおばあちゃんと一緒にプレイするような、「ようこそお越したもれました …」。上品な言葉遣いが、昔話を聴いているようなほっこりした気分になる。不正解によるゲームオーバーもない。ポン、と鼓の音とともに「正解」の文字がでる。当てずっぽうにやってもクリアできるが、逆にそれがとてももったいない気分になり、思わず誰かと触れ合いたくなる不思議なアプリだ。
81歳の若宮正子さんは、パソコン講師にアプリ開発を教わりながらも、プログラミングは自力で行い、説明文はカタカナを避けるなど、高齢者でも簡単に遊べるゲームとしてリリースした。昨年2月に配信された『hinadan』は1年余りで9万のダウンロードを記録して世界を驚かせた。米アップルの世界開発者会議にも招かれ、ティム・クックから「あなたに刺激を受けている」と言葉をかけられたそうだ。アプリは英語、中国語に続き、友人の手で韓国語やスペイン語に訳される予定だ。
彼女はシニア層に対して、「リケジョ」ならぬ「リケロウ」を増やすべきと提唱している。これからの時代の加速やIOT技術を使いこなす理数系の頭がないと、年齢に関係なく生存が難しくなると訴えている。
かつてアメリカが今後力を入れるべき教育として「STEAM(スチーム)」という言葉が話題になった。「科学(Science)」「技術(Technology)」「工学(Engineering)」「芸術(Art)」「数学(Mathematics)」の頭文字をとったもので、「理系+芸術」の教育スタイルのことだ。「理系」の学びを「つなぐ」「ふくらませる」ために「芸術」の創造性が必要だと判断してのことだ。
しかしその一方で日本の基礎教育の中で、いま図工の時間が減っているらしい。「創造性」の時間が削減されているのだ。科学に創造性を掛け合わせるからノーベル賞級の独創的な研究が生まれるのであって、クリエイティビティの過小評価には危機感を覚える。
ピカソは92歳、ミケランジェロは89歳、ダリは86歳、マティスも85歳まで生きた。これらの長寿アーティストが現在に生き、ITスキルを持っていたとしたら?正に「理系老(リケロウ)」ということか!
これからは年齢やジェンダーは壁ではない。発想を変えれば、高齢化社会こそが未来の可能性を広げる素晴らしい環境であることを認識したい。

| 18.07.06 | Permalink

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