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シンゴジラ

少し前に地上波で初放映された最新作『シンゴジラ』は、その意味深なメッセージ性から大きな反響を呼んだ。平均視聴率15.2%の高視聴率を記録し、Twitterで「シンゴジ地上波実況」「無人在来線爆弾」「ヤシオリ作戦」などが次々にトレンド入りしたのも興味深かった。
しかし何と言っても『シンゴジラ』の最大の価値は、現在の日本が置かれた安全保障状況への妙にリアリティーのある共感ではないだろうか?首相官邸地下にある危機管理センターや立川にある緊急災害対策本部など、実在する政府の施設が想定されており、小池東京都知事も元防衛大臣の経験をかわれて監修に加わっている。
終戦から僅か10年の1954年に公開されたシリーズ第一作を改めて振り返ってみると、『ゴジラ』はビキニ環礁沖での水爆実験で住みかを奪われた古代生物の突然変異として生まれている。
当時、破壊の限りを尽くす単なる大怪獣映画としてとらえられていた一面もあるが、第一作から常に人類の身勝手によって引き起こされる核開発と自然界の放射能汚染を痛烈に批判するテーマは変わらず、ゴジラシリーズはある意味筋が通った作品群だと言うことができる。
驚くべき事に1993年まではロンドン条約に基づきマリアナ海溝などに放射性廃棄物を捨て去ることが可能だった。福島問題では事実上の海洋投棄が今も行われているに等しい。『ゴジラ』はまさに人災の象徴であると同時に、無念の日本をも示唆している。
日米安全保障の名の下に日米原子力協定という不平等条約付きでGEより導入した原発福島F1は、米国の原発コンサルタント会社「EBASCO」(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%90%E3%82%B9%E3%82%B3)の設計によるものだ。しかし日米原子力協定により、福島F1がメルトダウンを起こしても設計瑕疵でGEの責任を問うことはできず、結果東芝まで失いかけている日本の姿は醜いゴジラそのものである。
「ゴジラがかわいそうだ」イコール「日本がかわいそうだ」という変なシンパシーで、ゴジラ映画は欧米でも人気を博すこととなった?
日本の閣僚の本心は(口が滑っても言えないだろうが)、「ロシアやアメリカの退役原子力潜水艦はマリアナ海溝に沈んでいるのではないでしょうね?或いはどこかで解体処理しているのでしょうか?参考のために視察させて下さい」だろう。自力では何も出来ない日本政府に防災訓練以上の策は無く、首都圏直下型地震や北のミサイルが東京に落ちるのを座して待っているように見える。
「シンゴジラに破壊され、そこから挙国一致で華麗に蘇って世界の賞賛を受ける!」という日本型シナリオだけで良いのだろうか?

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