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アコード

2020年2月20日、10代目となるホンダの新型アコードがついに日本に上陸した。実はこのアコードは既に2017年にアメリカでデビューしている。2018年には中国で、2019年からはタイを中心にアジア圏でも販売されており、日本には実に3年遅れでの登場ということになる。
1976年にシビックの上級車として初代が誕生して以来、アコードはホンダの世界戦略車として120を超える国と地域で人気を博してきた。累計で2000万台を販売してきたが、日本では何故か売れなくなって久しい。
2019年の世界販売台数は59万5千台である。アメリカで26万台、中国でも21万台売れている。しかし日本では5000台にも満たなかったことから3年遅れでの新型車導入となり、2020年の日本国内販売目標は何とわずか3600台だ。
この悲惨な数字は日本マーケットがガラパゴスだというよりも、上昇志向のある中間層がもはや日本にはいないことを示唆しているのか。冷静に見るとこの数字の裏に、中間層がいなくなり富の配分が二極化している現在の日本の社会構造が透けて見えてくる。
結果として、アコードを日本マーケットに積極投入してこなかったホンダの戦略は正しいと言わざるを得ないだろう。失われた30年とアベノミクスの失敗で、日本からグローバル志向の中間層が駆逐されたことを再認識させられる。
アコードの歴史は世界で野心ある中間層を追いかけた歴史だとも言える。アメリカ上陸後、GMやフォードのミドルクラスセダンを駆逐し、BMWが築いてきたインテリ層御用達のイメージを奪取したのだ。そして今世紀に入り中国とASEANの経済成長に合わせて台頭する中間層をターゲットとし、中国やタイでも伸びてきた。アコードのグローバルプライスは日本円で約500万円と、新興国にとって決して安くはない。
翻って日本でのホンダは軽自動車N-BOXが絶好調である。素晴らしいスペースユーティリティーを持ちパワフルで高品質だが値段は150万円前後。ターゲットは安心安全を求める大人しい安定志向マーケットと割り切っている。
折角F1でホンダPUが勝利しても、日本ではそれを称える人たちは僅かだ。2代目NSXも既にアメリカ製だ。ホンダはそのアメリカと中国で生き残るためにGMと手を組むことを決めた。
GMの新型コルベット(C8)が突然ミッドシップになって売れまくっているらしいが、NSXにそっくりなことには笑ってしまう。
アコードはもはや日本の車ではない。言うなれば新天地に移民した日系3世というところだろうか。DNAに日本の革新性は残っているが、日本語はとうの昔にしゃべれなくなっているのだ。

| 20.09.18 | Permalink

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