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STEM脳

帝国データバンクによると、日本の女性社長の数がこの30年間連続で増加しているそうだ。1989年に3万588人だったのが2019年には9万人を突破したとのこと。30年で6万人増えたといっても、未だ全体の7.9%に過ぎないのが現実だが。
女性起業家像も様変わりしている。かつてはネイルサロンやカフェなど美容関連や飲食業を小資本で始める「サロン事業」が多かったが、今はデジタルテクノロジーを生かしたAI事業や医療、農業など男性色が濃かった事業に参入する女性が増えている。しかも株式上場を目指すケースも珍しくないそうだ。
「会社の将来に向けて、どんな技能を身につけるべきか?」との問いに女性社長の多くが「STEMから始めよ」と答えているそうで興味深い。
「STEM」とは、Science・Technology・Engineering・Mathematicsの頭文字、科学・工学・技術・数学各分野を指す。リーダーは理論的に先を見通す力があってこそ初めて成功する、女性らしさを表に出すのではなく全員が納得する理論性を重視した経営が大事だと理解しているようだ。
今回のコロナ禍において、ニュージーランド、台湾、ドイツ、フィンランド、デンマークなど、未知のウイルスに対し理論的かつ冷静に対処した国のリーダーがみな女性だったことも偶然ではなさそうだ。
これらの女性リーダーは軒並み70-80%台の高い支持率を得ている。敵は見えないウイルスだけでなく国民の恐怖や不安、孤独という内なる感情でもある。人々の痛みを感じる想像力と、寄り添い、勇気づけ、励ます共感力が国民の心に響いたと言えないだろうか。
非常事態下には力強い男性リーダーのほうが向いているのではないかという錯覚もあるようだが、トランプ、習、プーチン、安倍はこの非常事態に理論性を欠く判断が多く、言動は国民の心とかけ離れ、みな討ち死に寸前である。
スタンフォード大学の報告は、最も成功するリーダー像は「男性的特質と女性的特質を上手に使い分けるカメレオンタイプ」であると結論づけている。ジェンダーの枠を超えて二つの特質をベストマッチさせたリーダーこそが成功するということらしい。
日本は適性・手腕とは無関係に、人を文系・理系とか男性・女性とかに分けて考えるステレオタイプ的風土があり、STEM脳とは馴染みにくい。
伝統的社会の仕組みが押し付けた偏見に満ちた男性中心の日本の政治だが、コロナ後の来たるべき“ニューノーマル”な社会には、STEM脳を持った真に包容力のあるジェンダーフリーなリーダーが求められるだろう。

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