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パープレ

ビジネスでもプライベートでもGoogleを始めとした検索エンジンを利用しない日はないだろう。Googleは検索エンジンの先駆けとして、今や世界のオンライン検索の93%を占めるまでに成長した。そのビジネスモデルはスポンサー付き検索肢によって成り立っている。
Googleは2023年度の検索サービスの広告で1750億ドルの収益を上げ、親会社Alphabetの全収益の50%以上を占めている。ユーザーはYouTubeの動画配信やメール、インターネット検索サービスを無料で利用でき、世界中のあらゆるデータにアクセスできる。しかし対価として見たくもない広告を見せられることに嫌気がさしているユーザーは少なくない。
そうした中Googleへの挑戦を明言して登場したスタートアップ企業Perplexity AI, Inc.が公開した「Perplexity(略称パープレ)」だ。NVIDIA、ジェフ・ベゾス、YouTubeの元CEOなど大物が出資し、検索市場を寡占しようとするMicrosoftに一矢報いようとしている。
実際に検索エンジンからサイトを訪れることなく直接答えを得ることができれば、スポンサー付き情報の中からほしいものを探す手間もなくなる。最先端の自然言語処理と機械学習技術を駆使した革新的AI搭載検索エンジンとチャットボットを提供する「パープレ」は、検索エンジンを超えてソリューション・エンジンとも言えるものだ。
実はここにきて「パープレ」の影響力が猛烈に高まってきた。GoogleのSEO(Search Engine Optimization)
プラットフォームBrightEdgeによると、今年3月末時点の「パープレ」は40%を超える驚異的な月間成長率を記録し、月間アクティブユーザー数が1000万人を超えたそうだ。もちろん巨人Googleに比べるとまだ小さな存在だが、その成長率には目を見張るものがある。SEO専門家やブランド企業も注目せざるを得ない状況になっている。
特に広告主導のビジネスモデルをやめ、ユーザーファーストのアプローチを取っている点が評価されている。例えば「Threads」と呼ばれる機能では、過去の検索履歴を保存しつつGPT-4を活用したマイクロソフトの「Copilot」機能で対話的な検索サポートも提供している。
次世代型スマホは端末側にもAIプラットフォームが搭載されるようだ。そうなるといよいよ「パープレ」や「Copilot」で自分用にカスタマイズされたスマホが、持ち主のIQを超える世界が見えてくる。

| 24.08.02

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