7億ドル
米国プロ野球メジャーリーグ(MLB)で大谷翔平選手がドジャースと10年7億ドルの移籍契約をしたというニュースに、日本では野球ファンならずとも大いに盛り上がっている。連日の報道を見ているとアメリカでも日本同様に盛り上がっているように感じるが実際はどうなのだろうか?
アメリカで使用されている、ブランド・有名人・企業またはエンターテインメント製品の親しみやすさと魅力を測定し数値化する「Q Score」によると、2022年調査では、二刀流大谷の6歳以上のアメリカ人を対象にしたFamiliarity(認知度)はたったの13%だったそうだ。
確かに大谷翔平は米国野球界で前人未到の偉業を成し遂げたが、世界人口80億人時代に全世界のスポーツ地図において野球がどのような位置づけにあるかを知っておいて損はないだろう。
米国で今、最も人気があるスポーツは実は野球ではなくアメリカン・フットボールだ。米国世論調査会社ギャラップのデータによると、米国民が「一番見たいスポーツ」は2017年調査でアメリカン・フットボール37%、野球9%と4倍以上の差がついていた。バスケットボールですら11%と野球より多いのだ。米国4大プロスポーツと言えば、アメリカン・フットボール(NFL)、バスケットボール(NBA)、ベースボール(MLB)、アイスホッケー(NHL)の順と言われる所以だ。
NFLのチーフスと10シーズン総額5億300万ドルで契約を結んだクォーターバックのマホームズが、「米国史上初の5億ドル超え」と騒がれていたが、日本人は誰も知らない。日本の選手が海外で活躍するのを見るのは喜ばしいことだが、自己満足に陥ってはいけない。
世界的な人気スポーツの傾向を見ても、野球はヨーロッパでは間違いなくマイナー、アフリカ・中東や極東を除くアジアでの存在感は無いに等しい。それに引き換えサッカーは全世界をカバーして競技人口も圧倒的多数だ。大谷の契約金は総額では世界トップに見えるが、メッシがバルセロナ(スペイン)時代の2017年に結んだ4 年5億5,500万ユーロは年俸ベースでは大谷の約2倍になる。
それにしてもNHK(国営放送?)がBS朝のゴールデンタイムにMLBの試合を毎日中継放送するのは異様だ。日本におけるMLBの放映権をほぼ独占し、大谷選手の活躍をLIVEで見たければ受信料を払え!と言うことなのか?
受信設備を設置した全世帯に支払い義務があるNHKの莫大受信料を使ったMLB放映権の獲得と、それを認可する総務省の共同作戦を民業圧迫と言わずして何と言いうのだろうか。
| 23.12.15