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イカゲーム

9月17日に全世界配信された最新の大ヒット韓国ドラマ「イカゲーム(Squid Game)」がNetflixに9億ドル(約1,030億円)近い価値をもたらす、と同社が推計していることが社内資料から明らかになった。
韓国発のエンターテイメントは最近世界的広がりを見せている。例えばBTSは世界的トップグループとなり、日本のアイドルグループとの比較はもはやその次元の違いから適切ではなさそうだ。
Netflixが個別番組のパフォーマンス評価に用いている独自指標によると、「イカゲーム」が創出した価値は8億9110万ドル。制作費わずか2,140万ドル(1エピソード当たり約240万ドル)でメガヒットすることで巨大な利益を叩き出し、動画配信時代の金字塔を打ち立てた。
多額の借金を抱えた人々が賞金目当てに危険なゲームに参加する、といったストーリーの韓国ドラマだ。聞きなじみのないタイトル、主人公はうだつが上がらない中年男性、言語は韓国語、中身は好みが分かれるデスゲーム。借金まみれで人生の崖っぷちにいる456人が、賞金456億ウォン(約42億8000万円)を懸けて死と隣り合わせのゲームに挑んでいく。
日本では漫画「カイジ」との類似点を指摘する声もあるが、単なる負け惜しみにしか聞こえない。既視感がありながらもその圧倒的存在感から、アメリカ、韓国、日本などで視聴率1位を獲得しているからだ。
Netflixの韓国ドラマといえば大ヒットした「愛の不時着」が有名だ。それまで韓国ドラマ最大の顧客は日本であっても、あくまでも韓流ファンの間で熱くヒットしている作品だと見られがちだった。しかし実際のところ、この「愛の不時着」も日本に限った人気ではなかった。日本の韓国に対する報道は常にバイアスがかかっているようだ。
アメリカの映画批評専門サイト「Rotten Tomatoes」では、「愛の不時着」への一般オーディエンスの評価は「新鮮度指数99%」を記録し、アメリカの一般紙もこぞって取り上げていた。ワシントン・ポスト紙は4月18日付の記事で「アジアやアメリカで最も観客を魅了したドラマ」と紹介、3人の脱北者にドラマの見解を求めたインタビューも興味をひいた。北朝鮮を舞台にしたドラマの設定が幅広い地域で話題となったのは自然の流れだったようだ。
映画「パラサイト」にしても日本はストレートに称賛していない。韓国発のエンターテイメントが世界に認められ、日本作品が過去たどり着けなかった領域にまで達していることを、素直に受け入れるべき時が来たようだ。
日本が韓国を認めることで、次世代の日韓関係は大きく好転することになるだろう。

| 21.10.22

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