Myスマボ
ソフトバンクグループの孫会長兼社長が、AI(人工知能)搭載のスマートロボット「スマボ」を推奨している。「スマボ」は孫氏の造語らしい。ソフトバンクと言えばヒューマノイド型ロボット「Pepper」が有名だが、人が動作をプログラミングする必要があり決まった動きしかできないので、携帯でいえば「ガラケーロボット(ガラボ)」だという。
「Pepper」は2014年に世界初の感情認識ヒューマノイドロボットとして開発され、ロボティクスソリューションの発展を推進、世界70ヵ国以上で累計25,000台を超えて導入され、小売り、観光、医療、金融、教育等様々な現場で活躍してきた。しかしここに来て流石に古めかしい感じがしてきた。
携帯電話が一瞬でガラケーからスマホに変わったように、「ガラボ」がAIで臨機応変に自ら行動を選ぶ「スマボ」に変わるのは時間の問題だと孫氏は言いたいのだろう。
「スマボ」があらゆる産業の労働力に置き換わっていくと、労働時間が1日8時間/週5日に限定された人間と違い24時間365日稼働できるため、労働時間は3倍、生産性は3.5倍となり、競争力は双方を乗じ10倍になると孫氏は予測。「スマボ」が日本の産業構造を変えていく鍵になると言う。
「スマボ」がどんどん自己革新して成長していくと、人間の職は奪われるのだろうか?人の代わりに効率良く働いてくれる分、人間も相応に変化する必要があるのだろう。
平均的な人間は1日に約6万から7万もの考え事をするが、そのうちの90%以上は同じ内容だと言われている。いくら本を読んだり新しいことを学んだりしても、活用する前に忘れてしまうそうだ。
アメリカの人気ブレインコーチJim Kwik が伝授する「利き手と反対の手での歯磨き」は人間の進化に有効らしい。いつものように無意識では歯磨きさえできなくなる。この体験を繰り返すと本当に注意が必要な時、例えば人の名前を記憶したり読書をしたりする時に容易に気が散ることはなくなるそうだ。人間の脳もAIの一種と考えると、神経回路は常に成長進化していける。
既に現代人はスマホなしでは生活できなくなっている。スマホが記憶力を始め人間機能の拡張子になっているからだ。孫氏が目指す「スマボ」は人間の労働を代替する独立型か?ドラえもんのような帯同型か?それともAI機能付きパワースーツ「ハル」として常時装着するサイボーグ型か?
近い将来、携帯を買い替えるように「Myスマボ」を買う時代が来ることに疑いの余地はない。
| 21.10.01