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アンリアレイジ

世界的建築家の隈研吾が企画した、オルタナティブ・ロック、サカナクションの山口一郎、デザイナー、アンリアレイジの森永邦彦との3者による「more than Reason 隈研吾+山口一郎+森永邦彦展」( https://www.livingculture.lixil/topics/assets/3806e4add18a6b35fe52ebe38a144b6a.jpg )が、ジャンルを超えて注目されている。
この企画展はタイトル「more than Reason」が示すように、“意味や解釈、理屈を超えた体験を創ること”を目指して制作された。
ギャラリーには黒と白の部屋があり、プリーツドレスを着たマネキンが空間の中央に浮かぶ。森永が制作したドレスの上部は隈による天井、そして壁面のカーテンへとつながり、その境界は曖昧だ。展示空間には山口が生活音や環境音をサンプリングした音楽が流れる。
使用した素材は建築現場で使用される安価な養生シート、使用後は捨てられ主役となることはない。そんな素材があえてドレスに仕立てられ、精巧なドレスから手仕事の跡が感じられるカーテンまで、同一素材のコントラストを楽しませる。
デザイナー森永邦彦が2003年に設立したアパレルブランド、アンリアレイジ ANREALAGEは、REAL(日常)、UNREAL(非日常)、AGE(時代)をミックスした造語だ。
ミュージシャン山口一郎が2005年に結成したオルタナティブ・ロックバンド、サカナクションも魚とActionを組み合わせた造語だ。
昨今の日本のアパレル業界は「若者のファッション離れ」など「服が売れない」と言われているが、それは何のクリエイションも刺激も戦略もなくグローバル化しない日本の大手メーカーブランドの話だ。
デザイナーのクリエイティビティーとオリジナリティーで世界で勝負する「コムデギャルソン」は伸びている。2018年5月期の売り上げは240億円に達し、直近3年は年率10%近い成長を遂げている。
ルイ・ヴィトンやクリスチャン・ディオール、ウブロなど名だたるファッションブランドを傘下に置くLVMHグループの株価は、2019年7月に入り過去最高値を更新。
CEOのベルナール・アルノーは、資産1076億ドル(約11兆6400億円)にまで膨らみ、ビル・ゲイツを抜いて世界第2位の富豪となり、話題となった。
そうした中、オルタナティブなクリエイターと組んで新しい価値を創ろうとする「アンリアレイジ」は、グローバルマーケットに戦いを挑む数少ない日本ブランドだ。
隈研吾のブランド開発力に、山口一郎・森永邦彦がコラボして創り出す、まさに意味や解釈、理屈を超えた「オルタナティブな体験」。こういうクリエイションこそ今世界が求めているものだ。
日本の大手アパレルメーカーブランドはそろそろ気がつく時だろう。

| 19.08.23

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