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茶論

茶道文化が気軽に体験できる「茶論(さろん)」(https://salon-tea.jp/ )が、9月25日(火)に東京・日本橋高島屋S.C.新館にオープンする。奈良で茶道具を扱う1716年創業の老舗・中川政七商店が手がける新ブランドショップ「茶論 奈良町店」に続く2号店で、関東初の旗艦店になる。
「茶論」は、お茶を通して”おもてなし”の力量を上げる「稽古」、お茶を通して心に閑を持つ「喫茶」、オリジナル茶道具を販売する「見世」と、稽古・喫茶・見世の3つで構成された新しいビジネスモデルだ。茶道文化を世界に広げる新たな入口として注目を集めている。
最近の中国トレンドExpressによると、中国ソーシャルメディアにおける日本関連の書き込み総件数で不動の1位は、「日本で買い物したい」だそうだ。次いで「日本料理が食べたい」、「温泉に入りたい」、「お寺に行きたい」と続き、「お茶をたてたい」が5位にランクインしているという。「お茶をたてたい」はこのところ人気急上昇で、常にベスト10内にランキングされるほどらしい。
これは、以前よりも数多くの中国人が個人旅行で日本を訪れるようになったことに起因するようだ。彼らは団体でのショッピング三昧なツアーとは一線を画し、思い思いに旅程を組んで、「お茶をたてる」など「日本で”体験”したいもの」でスケジュールを埋めている。
茶に対して、中国と日本のこだわりには勿論数多くの共通点がある。中国では景色を眺め音を聞きながら味わったり、湯の中の茶葉を目で楽しんだり、五感を使って茶を楽しむ文化がある。日本では、作法や庭、空間のつくり、道具といった形式にこだわることで、茶を芸術の域まで深め、わび、さびの精神を体得してきた。
双方とも「お茶を飲む」という行為を超えて、「お茶をたてる」こと自体への関心が高いことが共通している。
10月13日(土)に『日日是好日 』という映画が公開される。エッセイスト・森下典子が約25年に亘って通い続けた茶道教室の日々を綴った大人気エッセイ、『「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』を映画化したものだ。
千利休や「茶道」といったテーマはしばしば映画やドラマになっているが、「Let it tea. 史上初。お茶の映画ができました。」というキャッチコピーどおり、初めて茶道教室を舞台に紡いだ映像は、茶道初心者の“あるある”も詰め込んだユーモラスな作品らしい。
中国との観光交流でこれから重要なのは、何人インバウンド観光客が来たか?ではなく、少数でも意識の高い中国人観光客の存在があることを、誘致する日本側が認識することなのだろう。

| 18.09.14

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