プロギング
2016年にスウェーデンから始まった「プロギング(Plogging)」と呼ばれる社会運動が、今注目を集めている。
“Plogging” とは、スウェーデン語で「集める」という意味の “plocka” と、英語の “jogging”をかけあわせた造語で、ジョッギングをしながらゴミ集めをして、体力増強のみならず環境も守ろうというかなり知的レベルの高い運動のこと。日本ではまだまだ知られていない。
環境やライフスタイルの向上に敏感なスウェーデン人ならではの発想だが、この社会運動がじわじわと世界各地に広がりつつあるのだ。
ジョガーはゴミ袋を持参してジョギングを開始し、袋一杯のゴミを持って帰る。ゴミを拾おうとかがむとスクワット運動を挟むことになり、普通に走る以上のカロリーを消費、走るだけでは使わない関節と筋肉のトレーニングにもなるというわけだ。
通常のジョギングをしながらゴミにも目を光らせるという「ながら運動」に、はじめは戸惑うジョガーも少なくない。しかし、「プロギング」はスポーツと社会貢献の最高のコンビネーションだ。
この社会運動を世に広めようと、専用アプリ「Lifesum」(https://lifesum.com/)がスウェーデンで開発されている。現在2500万人のユーザーが登録され、それぞれが走ったルートとゴミ集めの成果を追跡、SNSで発信することもでき推定消費カロリーも表示される。
運動して身体スッキリ、町もスッキリ、拡散欲求もスッキリと、まさに今風のいいこと尽くし。ヨーロッパはもとよりオーストラリア、マレーシア、インドなどでもブームになりつつあるようだ。しかし日本はこういう運動への反応があまり良い方ではない。
最近、アイスランド大統領である Gudni Th. Johannesson氏がプライベートでプロギング中に大統領公邸付近で市民に発見され、市民が一緒に撮った写真をSNSに投稿し話題となった。大統領はプロギングの愛好者だったらしい。
大統領と遭遇した人は自身の投稿の中で、「自国の大統領がブロギングでゴミ拾いをしていたことが誇らしい。」と述べている。
一方日本はといえば、次から次へと高圧的政権運営で役人に忖度させる首相と、子供っぽい言動と脇の甘さで周囲に迷惑をかけ続ける首相夫人に辟易している。今の日本には「首相夫妻が誇らしい」と世界に発信する国民が少ない(いる?)であろうことが残念だ。
二人で自宅に近い渋谷駅周辺で「プロギング」でもして話題を取ってはどうだろう。率先して日本を大人の国に近づける努力が必要だ。
| 18.04.06