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ギャンブル大国

日本中央競馬会(JRA)の女性職員が立ち上げた「UMAJO」プロジェクトが府中競馬場に誕生させた女性のためのリラックススペース“UMAJO SPOT” (http://umajo.jra.jp/event/201504tokyo/)が、全国の競馬場へも続々と波及し話題だそうだ。
このSPOT、テレビやマークシートに加え、コーヒーや紅茶などのドリンク類が無料で提供されオリジナルスイーツも置いてあるという、これまでの競馬場の殺伐としたイメージからは想像できない女性でも和める空間となっている。しかも驚くべきことに子供の同伴も可能なのだ。子供が遊べる遊具を充実するところも増え、その結果、国が音頭をとって家族連れでギャンブルを楽しむ場所を増やすという世界的に奇異な現象が起きている。
2016年のJRAの勝馬投票券収入は2兆6913億円、純利益は586億円と5年連続の黒字決算となったようだが、馬券収入は最盛期1997年の4兆円と比べ約7割といった水準にとどまった。一方、モバイルゲームの収益は、前年同時期比53%成長の119億ドル(約1.3兆円)を記録しているそうだ。Googleが前年比83%、Appleは35%の成長だ。中でも人気ソフトFate/Grand Orderは、日本のみのリリースでスマホアプリの世界収益第2位を記録している。従って全119億ドルの収益中、日本のプレイヤーから得た収益の比率はかなり高そうだ。日本人が公営ギャンブルやパチンコを卒業して次第にモバイルゲームにハマって行く傾向が、そこから見えて来る。
警視庁トップは、パチンコは直接換金できないからギャンブルではない、と言ってパチンコを裏街道に追い込んで来た。換金出来ないと信じる現場の警察官はいないだろうに…。今後スマホゲームも仮想通貨やビットコインと結びつかない保証がどこにあるのだろうか。
サンズのCEOに言われなくとも、「世界最大のギャンブル国家」であることを内閣府と警察庁が認めることが依存症対策の出発点ではないだろうか。しかも、日本は既に競輪、競馬、競艇の「TV広告」を許可し、官主導で“UMAJO SPOT”などを新設し女性競馬人口を増やすことに必死になっている国でもあるのだ。
片や一般女性の子連れギャンブルを促進しておきながら、ギャンブルではないとしたパチンコの依存症対策強化をうたう矛盾。こんな欺瞞が長続きするはずがない。
どうせ法案を通すのならば、堂々とIRリゾート施設を作り、スマートなエンターテイメントの場を提供するべきだろう。パチンコのように何か後ろめたい裏街道に追いやってはいけない。

| 17.09.01

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