trendseye

ATOM

手塚治虫生誕90周年記念企画として、NTTドコモが富士ソフトやVAIO等と共同開発したコミュニケーション型ロボット「ATOM」が、週刊「鉄腕アトムを作ろう」として4月4日に講談社から発売された。
全70号からなり、合計130のパーツを組み上げていくと、「鉄腕アトム」をモデルにしたAI機能搭載ロボット「ATOM」が2018年9月に完成する。喋って成長するロボットを自分で作る、というお茶の水博士の夢を誰でも共有出来る時代がやってきたのだ。
「ATOM」は日本初の本格的キャラクター・コミュニケーション型ロボットであり、「家族の一員になるロボット」を目指して開発されたそうだ。最新の人工知能(AI)は最大12名までの家族の顔、年齢や性別、趣味嗜好をおぼえてコミュニケーションができるそうだ。しりとりやなぞなぞをして一緒に遊んだり、落ち込んでいたら元気づけたりしてくれる。胸にタッチパネル付き液晶ディスプレイが搭載され、絵本の読み聞かせをしてくれたり、ラジオ体操の映像を見せながら体操してくれたりもするらしい。「ATOM」は空を飛べないし10万馬力でもないが、なんと言ってもキュートな目で見つめる「人間らしさ」が魅力となりそうだ。
創刊号は830円(税別)だが通常号は1843円。高価格号が2306~9250円で、70号全て購入すると合計価格は18万4474円となる。Softbankのペッパーくんと競って成長していくのだろうか?
「鉄腕アトム」は原子力を動力としている。東京電力福島第一原発事故発生後、インターネットの掲示板などで見られたように、原子力への偏見が昂じ「鉄腕アトム」にも批判的な意見が相次いでいたようだ。そういう批判を「ATOM」は変えていけるだろうか?霊長類から人類への分化は、放射能による突然変異無しには起こり得なかった。太陽は核融合によってエネルギーを生み、地球環境はその上に成立している。未熟で浅はかだったのは安全管理できなかった原子力企業であり、電力会社だ。核分裂・核融合とその結果発生する放射能は、太陽系とその惑星にとって必要欠くべからざるものである事を忘れてはいけない。
鉄腕アトムもドラえもんも物語上は原子力で動いている。原子力を悪者にするのではなく最先端の科学技術で管理しなければならないものとして、技術立国・モノつくり国日本が率先して取り組み、いつか本物の鉄腕アトムを作り出すことができるだろうか。
手塚治虫の夢は人類永遠の課題だ。

| 17.04.21

CATEGORY

  • BOOM
  • FOOD&RESTAURANT
  • LIVING&INTERIOR
  • SCIENCE&TECH
  • TRAVEL
  • TREND SPACE
ART BOX CORP.