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寝落ちサロン

人為的に「寝落ち」を体験させてくれる“日本で最初の頭専門サロン”を名乗る「悟空のきもち」(本店・京都http://goku-nokimochi.com/)が7月に銀座店をオープンさせ話題になっている。
ドーパミンなど快楽ホルモンを生成する脳幹に頭部筋膜層からアプローチする施術は、通常の安堵型の眠りとは異なり、快感(幸福感)が頂点に達して眠りに落ちる「絶頂睡眠」が得られるのだそうだ。気絶するほどの快感に近似する「絶頂睡眠」の寝落ちは爽快感が高いらしい。この施術で、眠気を感じていなくとも男性約8分、女性約10分で「寝落ち」させることが可能なのだとか・・・しかも「絶頂睡眠」というこの施術によって、頭皮が柔らかくなると頭皮の状態がバランス良くなるので睡眠の質が改善し、施術日の夜かなりグッスリ眠れるだけでなく、その効果は1週間ほど持続するという。現在4店舗で約4万人がキャンセル待ちという驚くべき人気なのだそうだ。
厚生労働省の平成25年「国民健康・栄養調査」で、睡眠の質について、「日中眠気を感じた」と回答した人の割合が男性 37.7%、女性43.0%であったというから、この人気もうなずける。
不眠症の疑いがある人たちには就寝前に特徴的な行動がみられる。高齢者はテレビ、中年男性は飲酒、若年者はパソコン、タブレット、スマホなどの操作やゲームなどに時間を使っている。いずれも脳が休息したいときに逆に覚醒を強めるような行動だ。さらに就寝時に不安感や憂鬱な気持を感じている人の割合も多く、ネガティブな気分を紛らわせるためにテレビやスマホに手が伸びるのであればまさに悪循環だ。対人関係のストレス、カフェイン摂取などに加え、寝室まで携帯電話を持ち込むようなライフスタイルの定着は、日本人の脳をより一層眠れない状態に追いこんでいるようだ。
OECD(経済協力開発機構)が2014年に行った国際比較調査での各国の15歳~64歳男女の睡眠時間を比較すると、日本人は男性・女性ともに7時間43分と韓国に次いで2番目に短かった。こうした睡眠不足による経済的損失(生産性の低下、欠勤、遅刻、早退、交通事故や産業事故の発生、医療費の増加など)は、日本睡眠学会の試算では年間約5兆円にも上るといわれている。
「質の高い睡眠」は、平均健康寿命が限界まで長くなった現代人にとって、人生の実質有効時間を更に押し上げる重要なファクターになってくるだろう。

| 16.10.14

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