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ギョ―女(じょ)

今、巷で「ギョ―女」なる餃子にハマる女子の人口がじわじわと増加中だ。
ここ数年“女子ウケする餃子店”が一気に増え、餃子=おしゃれフードになりつつあるのだ。中でも青学の裏のグルメストリートにある「GYOZA BAR」(http://www.aoyama-gyozabar.com/)は、話題の フレンチ「鳴神NARUKAMI」の鳴神シェフのプロデュースしたお店で、パリで流行った佐藤伸の餃子バー「パサージュ53」(http://www.passage53.com/)をヒントに、ワインと餃子を合わせ人気上昇中だ。シンプルな肉餃子からパクチー餃子、餃子が入ったオニオンスープ、フレンチシェフならではの3種類の特性ソースも面白く、夜の2軒目にも気軽に使える。
最近のギョ―女の好みの傾向は大きく分けて2種類。ひとつは、ニンニクやニラが入っていないのに味わい深い本格的な焼き餃子。ふたつ目は、様々な味の焼き餃子。具材にできる材料のバリエーションが広く食べ比べがいがあるところが、女子たちの心をつかんでいるらしい。あえて餃子のようなB級グルメを食べているのがオシャレという感覚の女子も増え、女の子らしいカフェごはんより誰もが親しみの持てる焼き餃子が、SNSにUPしたい食べ物として人気を上げてきているようだ。
そもそも本場中国の基本は水餃子。位のある人や裕福な人が食べて、残ればそれを使用人に下げ渡す。もらった使用人は仕方なく翌日固くなった水餃子を焼いて食す。中国は下男下女が焼き餃子だが、日本では老若男女共何故か焼き餃子なのだ??
餃子の町として知られている宇都宮には戦前満州に出兵した第14師団の駐屯地があり、戦後満州から復員してきた兵隊たちが製法を伝えたために餃子専門店が多くでき、今では消費量が日本一といわれるようになったそうだ。一方、昨年消費量日本一の座を奪った浜松でも、満州で製法を覚えた復員兵が作ったのが始まりと言われている。どちらも日本陸軍に関わっている。
しかし、日本陸軍はなぜ焼餃子だったのか?軍隊が雇った賄いが下男下女だったとも考えられる。戦争中に食文化が交わり、いろいろなドラマを繰り広げながら焼き餃子も海を渡り、日本のソウルフードとなったわけだ。
春節に来日する中国人にとっても、日本の餃子は既に中華料理というより日本の大衆料理として受け入れられている。因みに横浜中華街で焼き餃子を出す店を探すのは難しい。
ギョ―女人口が広く増えていく日本列島は、各国の食文化が混ざり合う、正に「和」食の国なのだろう。

| 16.02.05

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