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ソイタリアン

日本発の新しい大豆の食材“豆乳クリーム”と“低脂肪豆乳”を使った「ソイタリアン」が、10月末までイタリアで開催されていたミラノ万博に出品され、本場・イタリア人からも大好評だったそうだ。この新素材をレシピに取り入れたヘルシーなイタリアンは、濃厚なコクや旨味を損なわずカロリー減、という夢のような“イタリアン”として都内でも増殖中だ。
古来よりみそ、しょうゆなどに加工されてきた和の伝統食材「大豆」を西洋料理へ活用する「ソイタリアン」活動は、不二製油が特許を取得した「USS(ウルトラ・ソイ・セパレーション)製法」(http://www.fujioil.co.jp/fujioil/uss/index.html)という大豆の分離技術を用いた豆乳クリームにより実現した。これまで豆乳は牛乳の代用品として利用されることが多かったが、粘性が弱く加熱すると分離凝固してしまうので生クリームの濃厚さを表現するには至らなかった。新開発されたUSS製法の“豆乳クリーム”は舌を包み込むようなこっくりとした深い味わいで、まさしくクリームそのもの。泡立てれば、なんとホイップクリームにもなるそうだ。女性にはこれまで大豆の栄養価やアンチエイジング効果がよく知られてきたが、さらに罪悪感を持たずにイタリアンが食べられるというわけだ。
そんな“豆乳クリーム”には意外にもラーメン界も注目しているようだ。ラーメンは具やスープが動物性の脂たっぷりで、「食べたいけどカロリーが気になって食べづらい」と思う女性は多い。豆乳クリームの味は動物性に引けを取らず、大豆のうまみ成分はみそ、しょうゆ、辛味などと相性がいいというのだ。今後トレンドになるかもしれない。
豆腐は今から2200年前に中国で発明され、日本へは奈良時代に唐からその製造法が伝えられたそうだ。豆乳は豆腐ができる以前から中国では「豆漿」「豆腐汁」という形で食されていた。日本で豆乳が完成された食品として一般的に認知されるようになったのは昭和57年の豆乳ブームの頃からで、意外に歴史は浅い。しかし、日本は一旦何かを認知するとそれを改良しようという意識がとても強い国民性を持つ。味にクセがあって飲めない人が多かった豆乳だが、「ソイタリアン」の登場で世界の料理のカロリーが驚異的に下がる可能性も出てきた。豆乳の歴史が古い中国と韓国では、豆乳の元祖がどちらかをめぐって論争を繰り返しているらしいが、むしろ新製品の開発に向けて、協力して知恵を出すべき時なのではないだろうか?

| 15.12.04

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