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言語人口

2014年米国におけるスペイン語人口は5200万人となりメキシコに次ぎ世界2位に浮上した、とスペインに本部がある「Instituto Cervantes」(http://www.cervantes.es/default.htm)が発表した。
世界人口70億人中、スペイン語を母国語とする人は4億人、第二外国語としている人を含めると5億人に達すると言われている。スペインの総人口が4770万人、コロンビアが4620万人なのに対し、米国でスペイン語のネイティブスピーカー人口は約4100万人、バイリンガル人口は約1160万人で、2050年までには1億3280万人に達し、メキシコを上回る世界最多になるだろうと予想されている。インターネットで使われる言語を見ても、スペイン語は中国語、英語に次ぐ第3位、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアでは、英語に次いで2位となっている。スペイン語人口の増加と広がりは、スペイン文化圏の存在感がますます高まっていることを示していると言える。
翻って日本語はどうだろう。日本語を母国語とする人口は世界9位の1億2000万人で日本の人口とほぼイコール、日本語が世界にいかに浸透していないかを示している。国力は国籍人口だけでなく言語人口も大事なバロメーターとなる。今後少子高齢化による人口減少が進み、日本語人口も国力もさらに減少するだろう。
しかしその一方で、最近海外の日本語学習者は増えてきている。国際交流基金の『海外の日本語教育の現状 2012年度日本語教育機関調査』によると、日本語学習者数は3,985,669人(2009 年度比9.2% 増)、日本語教育機関数は16,046(同7.5% 増)、日本語教師数は63,805人(同28.1% 増)だった。日本語学習の目的で最も数値が高いのは「日本語そのものへの興味」(62.2%)、「日本語でのコミュニケーション」(55.5%)、「マンガ・アニメ・J-P0P 等が好きだから」(54.0%)と続く。 ビジネスなど実利的な目的を、日本についての知識・文化面での興味が上回る結果となっているのだ。
シリア難民の受け入れを先進諸国が続々と表明する中、未だ移民すら受け入れない日本は、G7の一員として肩身が狭い。移民が出身国の言語を使える英国や米国と違い、植民地政策で失敗した日本は、まず国内が多言語化されていない。たとえ移民を受け入れても、移民自身の苦労が相当大きい国なのだ。言語人口の力は、世界でのその国の発言力に直結するとわかっているなら、海外での日本語普及や国内での多言語化システム作りをもっと戦略的にやっていかなければならない。インバウンド観光客が少し増えたと喜んでいる場合ではないだろう。

| 15.09.11

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