北陸トライアングル
3月14日に長野~金沢間で北陸新幹線が開業する。北陸新幹線沿線では、金沢と能登に富山を加えた「北陸トライアングル」という新たな観光ルートが作られ、外国人を含む多くの観光客で盛り上がっていくのではないかという期待感が高まっている。
東京~金沢間はこれまでよりも約1時間20分早い2時間28分で結ばれることになり、市は首都圏からの来訪者を12年の222万人から15年は500万人へと倍増させる目標で、経済効果を124億円と試算しているらしい。金沢駅周辺は、ホテルの開業やブランドアップが相次ぎ、商業施設が新たにオープン、昨年、全国の商業地で地価の上昇率1位になるなど、開業効果がすでに見え始めている。しかし、北陸3県といえば石川、富山、福井なのに対し、今回北陸新幹線は金沢までしか開業せず、「北陸トライアングル」から福井が外れている。福井県に到達するのは10年後の予定で、北陸3県で格差が生じるのではないかという懸念から、なんとか2020年までにと開通の前倒しが検討されているそうだ。
一方、北陸の空の玄関口・小松空港は、数年前からソウル、上海、台湾とは直行便が毎日、バンコクとはチャーター便が就航している。その為加賀温泉エリアでは、外国人旅行者のシェアが20%以上となり、特に台湾からの旅行者が増えているという。2014年10月の国土交通政策研究所による「旅館ブランドに関する調査研究」(http://www.mlit.go.jp/pri/shiryou/press/pdf/shiryou141020_2.pdf)によると、アジアからの旅行者が旅館を選んだ理由は、「温泉に入りたかった」が61.2%、さらに日本を5回以上訪れているリピーターは「温泉に入りたかったため」が78.2%と、約8割を占めていた。かつて関西の奥座敷と呼ばれていたエリアも、様相が少しずつ変化してきているようだ。北陸新幹線が開通すると、小松空港から入って逆流し、高山、軽井沢、東京に至るルートも開発されるだろう。
食、名所、温泉と魅力ある観光資源を持ちながら、首都圏からのアクセスの不便さで集客に苦戦していた北陸だが、新幹線の開通によって日本の観光地図を大きく変え、海外へのアピール度も増していきそうだ。
「新幹線による観光開発の成功は、新駅をつくらなかった地域だけにある!」がまた証明されそうだ。
| 15.01.23