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絵文字だけを使ったSNS「emojli」-The emoji-only network-(http://emoj.li/)が、近日登場する。
twitterのように短い文章でシンプルに投稿できる環境は、ユーザー心理的にも利用しやすいと言われている。net文化では、言葉の壁を超えるべく様々な試みがなされて来た。例えば「Instagram」は、文章よりも簡潔である画像を投稿するという習慣を生み出したし、「LINE」は、スタンプ機能による非言語コミュニケーションに成功して言葉を越えた。「Yo」.は、固定メッセージしか送れないにも関わらず、そのスピード感で多くのファンを作り出した。そして今度登場するSNS「emojli」で、ユーザーネームも絵文字のみという究極的なサービスがスタートする。「emojli」のティザーサイトには開発者であるマット・グレイ、トム・スコット両氏のサイトへのリンクがあるが、そのドメインはco.ukで、彼らはこのサービスをどうやらロンドンから発信しているようだ。
“emoji”という単語は元々ガラケー時代に生まれた日本語だったが、今では世界に通用する単語となっている。NTTドコモが開発した絵文字は、「シンプルすぎて自分の気持ちを十分に伝えることができないSNSでも、絵文字を付け足すと、気持ちをよりうまく伝えることができあいまいな表現も可能になる」という趣旨だった。始まったころはコピーすることができなかったが、その後アップル社等がドコモの絵文字に加えて独自の絵文字を作り、2010年には数百の絵文字がユニコードに制定され、標準化された絵文字は世界的なものとなった。考え出された一つの絵文字がユニコード・スタンダードとして標準化されるまでには何年もかかったが、絵文字はこれらの努力の積み重ねで今や世界70億人が理解する世界語となったのだ。
最近は、電話や手紙より電子文章での会話やコミュニケーションが主流になっているが、言葉だけだと素っ気ない文章を送ることになってしまい、誤解を招くことも少なくない。会話の印象が、立ち振る舞いや顔の表情などで変わるように、電子文章のコミュニケーションでは、絵文字が表情の役割を果たしている。そうした中で、絵文字だけのコミュニケーションは非言語ツールを用いたものとして面白いトライアルだ。どのように発展するのだろうか?
イギリスは通信の世界で、7大陸ならぬ70億人のコミュニケーションの壁を取り払い、またしても「日の沈まざる帝国」を築くつもりなのだろうか?
良いものを創造しながらも持ち合わせない「世界を支配しようという意思力」を、日本はヨーロッパからもっと学んでもよいのではないだろうか?

| 14.07.11

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