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変な人

「ICT(Information and Communication Technology)分野において破壊的な地球規模の価値創造を生み出すために、大いなる可能性がある奇想天外でアンビシャスな技術課題に挑戦する人を支援するため」として、総務省が「独創的な人向け特別枠」予算、通称「変な人」事業(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin03_02000075.html)をスタート、6月からいよいよ対象者の公募が始まる。
総務省は、スケールの大きなイノベーションを起こせる人間は、常識にとらわれない「変な人」ではないかと見込んで、今回の募集に至ったという。同省の担当者によると、「スティーブ・ジョブズのようなアイディアとそれを実現していく技術力を持った人材を支援したい」という意図から、通称「変な人」という表現になったそうだ。
応募の中から10件ほどの研究が採択され、被採択者には上限で研究資金300万円が支給されるほか、所属機関には間接経費も別途支給される。さらにクラウドネットワーク環境の提供、海外著名講師によるサマースクール、学会イベントなども用意されるらしい。
実際対象となる企業の応募条件を見ると、以下(1)~(7)までの全ての条件を満たすこととなっている。
(1) 日本国において登記された法人であること。 (2) 本業務を遂行するために必要な組織、人員等を有していること。(3) 本業務を円滑に遂行するために必要な経営基盤を有し、かつ、資金等について十分な管理能力を有していること。(4) 国が本プログラムを推進する上で必要とする措置を、迅速かつ効率的に遂行できる体制を構築できること。(5) 本業務と各研究開発課題の間における人員、事務、情報等の分界が明確であり、中立的な立場で業務を実施できる体制を確立していること。(6) 暴力団排除対象者に該当しない者であること。(7) 暴力団排除対象者であることを知りながら契約等の相手方としないこと。
この時点で、条件を満たす「変な人」が本当にいるのだろうか?と疑問に思う人は多いだろう。どうやら総務省は、信頼に足る「しっかりした企業」の中でスティーブ・ジョブズのような「変な人」を探しているようだ。
そもそも、総務省が言う「変な人」とはどんな人なのかを考える前に、国が率先して「変な人」を探してどうなる!と思う。定義されたような人はどんな企業も欲しがる人だ。その審査より、そうした自由な発想をもった若い人材がもっともっと生まれて来るような人材育成環境を作って行くのが国の仕事ではないか。
実に「変な企画」だ!

| 14.06.06

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