スマートソックス
マイクロソフトを飛び出した技術者達が起こしたベンチャー企業『Heapsylon社』(http://www.heapsylon.com/)が開発した「Sensoria(センソリア)」(http://www.sensoriafitness.com/)という繊維センサーが注目されている。
「Sensoria(センソリア)」で作られたソックスは、見た目は普通の靴下だが、これをはいて走ると、歩数や走行距離、ペースなど詳細な記録を取れるうえ、着地の仕方までわかる。言ってみれば、はくだけでランニングのコーチの役割までしてくれるのが「スマートソックス」だ。
足底の特殊繊維が足の裏にかかる圧力をキャッチし、そのデータをリアルタイムでiPhoneに送る仕掛けになっている。iPhoneからは、そのデータが分析された上で、たとえば「踵着地になっています。体重を前にかけましょう」と警告されるという具合だ。「Sensoria(センソリア)」のような電子センサー繊維は、他のウェアラブル・コンピューターよりも違和感なく運動量を測定することができるので、今後様々な衣類に付加価値を加えることができると期待されている。健康状態がモニターされる、「スマートTシャツ」と「スマートブラ」も既に開発済みらしい。
今月、米ラスベガスで7日から4日間の日程で開催された世界最大の家電市「2014コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」では、この「スマートソックス」をはじめ「スマートグラス」、Bluetooth利用の「スマートジュエリー」などが展示され、近い将来、私たちの体が数多くのこうしたウエアラブル機器に覆われることを予感させた。
多くの製品はセンサーなどで常時ネットに繋がる「IoT(Internet of Things)」を実現し、インターネットは全ての"モノ"がコミュニケーションをするための情報伝送路に変化していく。こうして集められる膨大な量の情報を操る「ビッグデータ」は、人間の行動を前もって予知可能なものにしてしまうに違いない。
こうなると、ビッグデータとクラウドコンピューティングとインターネットの組み合わせは、巨大な人間管理社会を作り出していくだろう。その中心に誰が座るのか?という疑問が湧き上がってくるのも当然だ。
| 14.01.17