豆乳飲料
紀文豆乳・秋冬限定テイストの「豆乳飲料焼きいも」が、さつまいもではなく「焼き芋」のネーミング効果もあってか人気だ。マロンやおしること合わせてシリーズ化されており、特に女性からの人気が高い。開発担当者の、アツアツ焼きいもと冷たい豆乳の組み合わせがあまりにもおいしかったので何とか紙パックで再現したいという思いから着手された商品だ。後味に香ばしさを感じるようにと、原料には本物の焼きいもを使用しているそうだ。
豆腐自体も、スイーツ感覚で食べられる新商品が次々に売り出されている。さとの雪食品より発売された「リラックマごゆるり絹とうふ」は、腸内のビフィズス菌や乳酸菌を活性化させる働きのある"オリゴ糖"を配合した、ほんのりとした甘みのある豆腐だ。男前豆腐から販売された「チョッパー豆腐」や「特濃ケンちゃん」は、蜂蜜、きな粉と黒蜜、メープルシロップ等などと合わせて、スイーツとして様々な食べ方が提案されている。 日本人の食品開発にかける情熱には本当に敬意を表したい。
しかし、そうしたスイーツ挑戦をしている豆腐だが、生産量は145万トン程度の横ばいで推移している。総務省の家計調査では、2012年の2人以上世帯が豆腐を購入する支出額は平均5,614円と10年前の2割減で、豆腐離れが進んでいる。一方、豆乳生産料は2012年には25万6000トンで、およそ5000トンだった1977年に比べると、35年間で約50倍に膨れ上がってきている。・・とは言うものの、2012年農水省がまとめた世界の豆乳消費量から見ると、日本の一人当たり年間消費量2リットルに比べ、タイの10.2リットル、韓国5.2リットル、マレーシア4.4リットル、そして、オーストラリアの3.6リットル、カナダの2.7リットルと、大豆との付き合いが長い日本にしては情けない数字だ。
日本の食品がアジアの中でも突出していかに西洋化しているかが分かる。しかし、日本にとっては出だしの遅い食品であった豆乳だが、関連食品のラインナップに見られる豊かなバリエーションや食材としての利用範囲の広さなど、日本発の新しい食べ方開発の可能性からも、豆乳ベース食品のアジアでのポテンシャルは相当に高いと思われる。車やデジカメばかりでなく豆乳や豆腐関連食品で世界ブランドを作り出し、是非とも世界に打って出て欲しいものだ。
アジアで世界に通用する「コーヒーとミルク」の関連商品の開発と、「お茶と豆乳」の商品開発が同時に行える器用な国は日本だけなのだから。
| 13.10.18