脳波ヘッドホン
脳波を使ったガジェット等を手掛ける「neurowear」(http://www.neurowear.com/news/)は、脳波で動くネコ耳「necomimi」に引き続き、今度は脳波を元に曲を選んでくれる脳波ヘッドフォン「mico」を、3月に米テキサス州で開催された世界最大の音楽・映像技術の展示会「SXSW Trade Show」で披露し注目を浴びた。
脳波ヘッドフォン「mico」は、ヘッドフォンに取り付けた脳波センサーでユーザーの脳波を読み取り、脳波の状態を解析して、気分に合わせてmicoデータベースから曲を選ぶというもの。選んだ曲は専用のiPhoneアプリと連携して再生される。さらに、ヘッドフォンの耳当て部分は「集中している」「眠い」などユーザーの状態に合わせてインジケータが光るようになって、「neurowear」は、「mico」を「音楽とのセレンディピティ(偶然の出会い)」をもたらすと説明している。
「neurowear」は、脳波を使ったコミュニケーションツールをオリジナルブランドとして発信することを目指している。その為に、人間がもともと持っていない器官で、人間の意思のみで動かして気持ちを伝えるようにしたいと、脳波で動くネコ耳「necomimi」を開発。カチューシャタイプの被り物で、それを装着した人の脳波に反応して「ネコ耳」が動いて、言葉に出すよりも早くその人の状態を表現する。脳波に応じて耳が小刻みに動く「ノーマル」のほか、「集中」「リラックス」という動作モードによって「ネコ耳」が異なる動きをすることで、話題を集めた。また、脳波に合わせて動く、イヌのしっぽをイメージした「shippo」のデモも行っている。脳波ヘッドフォン「mico」は、そうしたハイテク技術とユーモアをかけ合わせたツールの発展形と言える。
携帯電話がスマホになったように、次世代の端末として、グーグルはメガネ型を、アップルは腕時計型を、そしてドコモは指輪型と、今後身につける端末が主流になる可能性が高いと予想される。そうすると、「neurowear」の脳波ヘッドフォン「mico」は、人と機械が意思疎通する新たなツールとしてさらに注目を集めて行きそうだ。モノづくりを支えるのは、最後はセンサー技術だ。
| 13.04.05