レシピの力
ゴールデンウィークに優れたマーケティング活動を顕彰する「第4回日本マーケティング大賞」(日本マーケティング協会主催)に「タニタの『社員食堂』を起点としたビジネス展開」が選ばれた。
タニタは2010年1月にレシピ本「体脂肪計タニタの社員食堂」を出版、続編と合わせて累計販売数が436万部を突破。『社員食堂』への注目を間髪入れずにマーケティング活動につなげたスピード感や柔軟性が、受賞の理由だ。
これに続けとばかりに、キッコーマン飲料監修の『ヘルシー!豆乳レシピ』、タカノフーズ監修の『おかめちゃんの栄養たっぷり納豆レシピ』などは、認知度の高いメーカー公認という高い信頼性から、予想以上の反響があるそうだ。他にも、『カルピス社員のとっておきレシピ』では、カルピス入りのり巻きやカルピスソースとんかつなど、想像もしなかった使い方が提案され、発売から60周年を迎えるお茶づけ海苔の永谷園が出した『永谷園のお茶づけ海苔でおもてなし』では、簡単フルコースが紹介されている。そうしたレシピ本は、こんな食べ方があったのか!という新しい発見に満ちている。
また最近躍進を見せているのが、国内最大の料理レシピサイトを運営するクックパッド(COOKPAD)株式会社だ。国内企業として唯一、米Facebookのパートナーサイトに選ばれ、株価が年初来の高値を更新した。
日本はもともと世界的評価を受ける伝統食を持ちながら、各国料理への関心の高さとその家庭内への普及度は、世界でもトップレベルの水準にある。特にここ3~4年はスマホの発達でレシピ情報源は驚く程多彩になった。家庭で調理する場合、約5割の人が10回に1回は新しい献立に挑戦しているそうだ。内食志向が高まる中、「まったく新しい感覚の食事が作れるレシピがほしい」、「外食に行ったような感じがあるといい」というような、普段とは異なる雰囲気が家庭で味わえるレシピが求められている。日本の主婦(夫)の英語力は??だが、内食の国際性、多様性は世界一だろう。これも、縄文人と弥生人に騎馬民族が混血した日本人のDNAなのだろうか?
| 12.05.18