タブレット美術館
Googleは4月3日、世界各地の美術館をネットで見られる「Google Art Project」を拡大し、40カ国151の美術館を見られるようになったと発表した。東京国立博物館、ニューヨーク近代美術館(MoMA)、インドのデリーにあるNationalGallery of Modern Artなども加わり、現在3万点以上の所蔵品の高精細度画像と、46の美術館内のストリートビューが見られるようになっている。また、年代やアーティストで検索できる機能や、Google+との連携機能も追加した。しかも、「ギガピクセル」級の作品映像が46点もあり、実物では見られないような細かい画家の筆のタッチまで詳細に閲覧できるという。これにAppleのアプリ「Touch theMuseum」のような音声ガイドがあれば、バーチャルミュージアムはほぼ完成と言えるのかもしれない。もみくちゃになりながら、流れ込むようにして絵画の前をチラ見で通り過ぎる・・・そんな大混雑の美術鑑賞は意味がなくなり、深夜でもゆっくり、しかも無料で鑑賞できる「Google Art Project」の存在価値は大きくなりそうだ。絵の香りや質感は実際に見なければ味わえないものだが、これからは美術館や展覧会でのリアルな鑑賞の仕方も大きく変わってくるだろう。
一方、3月に発売された新型「iPad」。その特徴は高精細度画質のRetinaディスプレイと 背面カメラが500万画素になったこと、そしてLTE(4G)対応になったことだ。一部動画配信サービスからは、どんどん高精細度画像が送られてくる為、LETでは自動的に従量制に移行する米国の通信キャリア利用者から、高額通信料金の悲鳴が上がる大騒ぎになったとか。そうした中、ソニーやサムスン電子なども新製品を相次いで投入してきており、Googleも5~6月ごろに安価なタブレット端末を発売するらしい。タブレット競争は一段と激しくなりそうだ。
「Google Art Project」は、まさにタブレット端末やスマホに打ってつけの機能と言える。そのお陰か今年のタブレット端末の出荷台数は、2年前の4倍となる見通しで、今後も、右肩上がりに伸びると予測されている。爆発的な普及に伴い、通信量も膨大になり、Wi-Fi通信のインフラ整備が国力やリビングスタンダードのバロメーターになる時代、通信速度が神経細胞に近づいた時、バーチャルでも「現実」という世界がやって来るのだろうか??
| 12.04.06