LGBTフレンドリー
2013年のミス・ユニバース大会から出場資格などの規則が変更されて、性転換者にも資格が与えられることになった。ミス・ユニバース機構と同性愛者の擁護団体「GLAAD」は共同声明で、「大半の国で2013年大会の選考が始まる今秋から、性転換者の参加を含む規則変更を協議した」ことを発表した。
近年、米国を中心としてLGBT(レスビアン、ゲイ、バイセクシュアル、性同一性障害のトランスジェンダーの人々を示す略語)に対する企業の姿勢が急激に変わってきている。ゴールドマンサックスやナイキといった米国の一流企業がレスビアンやゲイの“同性婚”を続々と支持している。米国の人権擁護団体「Human Rights Campaign(HRC)」は毎年「企業平等指数」を発表している。これはLGBTの従業員に対する企業の取り組みを、40以上のチェック項目から評価し、0~100点でランク付けをしているものだ。それによると、満点を獲得した企業は2002年には13社だったのが、2012年は190社にも上っている。今や米国の企業は競い合うようにLGBTフレンドリーになろうとしているように見える。日本でも、既にソフトバンクモバイルが、国内のLGBTフレンドリー企業の先駆けとして、同性同士の“家族割”を認めたり、関連イベントを全社あげてサポートしている。
LGBT向けの雑誌やポータルサイトを手がけるプラネットアウトの調査によると、アメリカのLGBTの推定人口は約1500万人で成人人口の6%を占め、市場規模は77兆円、イギリスでは推定人口が約300万人、市場規模は7兆円と見られている。どの国でも潜在的に成人人口の5~10%がその層に当てはまるといわれているようだ。欧米の企業は、彼らをトレンドセッターとして位置づけ、ファッション、化粧品、IT関連はいうまでもなく、航空、旅行、自動車、金融、不動産、家電、飲料、食品など多くの分野でLGBT向けのマーケティング活動を行い、積極的にこの市場を攻略しようと動いている。日本企業も米国トヨタ、東芝、スバルなどがその重要性を認識し、欧米市場攻略の一環としてすでに積極的に動き始めている。
日本のLGBTの推定人口は約270万人、その市場規模はイギリスとほぼ同じ約6.6兆円と言われている。“堅い”と思われていた日本企業や行政もようやくLGBTマーケットの重要性に着目し始めてきているものの、まだまだ慎重な姿勢を示す人が多数派のようだ。
| 12.04.20