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腹筋ING(フッキング)

先日4月2日にアラフォー男性向けの美容雑誌『MEN'S美ST』が、光文社から創刊され、売れ行きも上々のようだ。この雑誌は、最近流行の「美魔女」を仕掛けた『美STORY』の編集長山本由樹氏が、今度は美魔女の男版として、アンチエイジングで男性の美意識向上を図ろうという内容だ。
目指すアラフォー男性像として、「20代の体をキープしつづける努力と節制力」、「ビジネスの世界でもグローバルに活躍する知性と行動力」、「自己満足に終わらないバランス感覚と人を惹き付ける人間性」を持つ男性とし、ただの筋肉マニアでは無い彼らを “腹筋”と“KING”を掛け合わせて「腹筋ING(フッキング)」と命名している。そして、雑誌の創刊に先駆けて、『美STORY』でも行った「国民的美魔女コンテスト」のように、「腹筋ING選手権」も開催された。女性にとっての“美”が自己実現であるように、男性にとってのアンチエイジングの象徴は“腹筋”なのだという。創刊誌上では、「腹筋ING選手権」でファイナリストになった11名のライフスタイルやトレーニングメニューが公開されている。誌面からは、見事にシックスパックを維持して、ストイックで美意識の高い彼らの様子が伝わってくる。その他、「美活」と題し、お肌の手入れに始まり、眉、歯、髪、髭、爪までメンズビューティーのハウツーも細かく載っているなど、ここまで「男性の美意識」に特化した雑誌はおそらく初めてのことではないだろうか?これまで中年男性向けの美容情報は少なかっただけに、おおいに参考になりそうだ。
一方、パナソニックの調査によると、「肌のきれいな男性に魅力を感じる」女性は92%もおり、「男性がアンチエイジングのスキンケア」をすることに賛成する人は81%となっている。手入れがいきとどいた肌は、男性でも好印象が持たれるのだ。また、『ちゃんと生活(自己管理)ができていそう』とか、『生き方、食生活が乱れていなさそう』といった、生活スタイルの表れや性格など内面までも肌から推測してしまう意見も多く聞かれたようだ。
アジアの中で日本のリビングスタンダードが高いと感じるのはこの点だ。女性だけでなく男性も「美活(=美容活動、美しくなるための努力)」を意識し始めている。実は日本のプロダクトの強さはここに理由があるのではないだろうか?特許やデザインも大事だが、精巧で美しい、きれい、カワイイと言うのは日本が世界に誇れるスキルだ。決して総合的にバランスよく優れているというわけではないが・・・??

| 12.04.27

LGBTフレンドリー

2013年のミス・ユニバース大会から出場資格などの規則が変更されて、性転換者にも資格が与えられることになった。ミス・ユニバース機構と同性愛者の擁護団体「GLAAD」は共同声明で、「大半の国で2013年大会の選考が始まる今秋から、性転換者の参加を含む規則変更を協議した」ことを発表した。
近年、米国を中心としてLGBT(レスビアン、ゲイ、バイセクシュアル、性同一性障害のトランスジェンダーの人々を示す略語)に対する企業の姿勢が急激に変わってきている。ゴールドマンサックスやナイキといった米国の一流企業がレスビアンやゲイの“同性婚”を続々と支持している。米国の人権擁護団体「Human Rights Campaign(HRC)」は毎年「企業平等指数」を発表している。これはLGBTの従業員に対する企業の取り組みを、40以上のチェック項目から評価し、0~100点でランク付けをしているものだ。それによると、満点を獲得した企業は2002年には13社だったのが、2012年は190社にも上っている。今や米国の企業は競い合うようにLGBTフレンドリーになろうとしているように見える。日本でも、既にソフトバンクモバイルが、国内のLGBTフレンドリー企業の先駆けとして、同性同士の“家族割”を認めたり、関連イベントを全社あげてサポートしている。
LGBT向けの雑誌やポータルサイトを手がけるプラネットアウトの調査によると、アメリカのLGBTの推定人口は約1500万人で成人人口の6%を占め、市場規模は77兆円、イギリスでは推定人口が約300万人、市場規模は7兆円と見られている。どの国でも潜在的に成人人口の5~10%がその層に当てはまるといわれているようだ。欧米の企業は、彼らをトレンドセッターとして位置づけ、ファッション、化粧品、IT関連はいうまでもなく、航空、旅行、自動車、金融、不動産、家電、飲料、食品など多くの分野でLGBT向けのマーケティング活動を行い、積極的にこの市場を攻略しようと動いている。日本企業も米国トヨタ、東芝、スバルなどがその重要性を認識し、欧米市場攻略の一環としてすでに積極的に動き始めている。
日本のLGBTの推定人口は約270万人、その市場規模はイギリスとほぼ同じ約6.6兆円と言われている。“堅い”と思われていた日本企業や行政もようやくLGBTマーケットの重要性に着目し始めてきているものの、まだまだ慎重な姿勢を示す人が多数派のようだ。

| 12.04.20

自分ノート

高額ノートのヒットが続いている。
東大合格生のノートから生まれたドット入り罫線が入ったノートや、外国製高級ノートから始まった「機能ノート」ブームで、小売店でも高機能や高付加価値ノート専用コーナーを作るなど販売に力を入れるようになった。特に2,000円前後の商品の占める割合が、ノート全体の販売数の中で増え続けてきている。中でも高額ノートの代表格とも言える「モレスキン」は、携帯して使うノートの老舗として有名な海外ブランド。古いスタイルを守るだけでなく、ノートやダイアリーの新製品も積極的に開発、ファンを増やし続けている。モレスキンのファンサイトでは、世界に広がる愛用者がモレスキンの使い方を公表し合う様子も見られる。表紙をデコレーションしたり、タブを追加したり、あらゆるものを貼りつけてみたり・・・。映画鑑賞、読書、おいしいもの探し、ダイエットなど、自分が情熱を持って取り組んでいることをより深く楽しむために、自分にとって使いやすい仕様にカスタマイズできるのも魅力だ。そうした高額ノートの多くは、堅牢なハードカバーやページ数の多さ、書棚に合うデザインなど、大量に書いて見える場所に保管し、頻繁に見返すという満足度が共通して高いと言える。
また、台東区蔵前にある文具店「カキモリ」は、ノートやペン、メモ帳、カードetc…『書くこと』に関する文具をセンスよく取り扱っている店だが、メインはオリジナルノートの制作で、最近人気を集めている。ここで作ることができるオーダーノートはリング式のノートだが、表裏の表紙だけで、コットン、皮、木やふわふわ素材などおよそ60種類。店主の広瀬氏がその季節によって集めたこだわりの素材が置いてある。中に入れる紙や、留め具のリングの色・位置を選び、ゴム止めか封緘止めかを決めて気に入ったカラーを選ぶだけで、5分ほどで製本され世界でただ一つのオリジナルノートが完成する。自分が何かを書きたくなるノート、そして書くことを楽しくさせるのがノートの役割だと広瀬氏は語る。
デジタル機器で情報を管理する人が増えるほど、そこからこぼれ落ちるものを記録する為のノートの需要がむしろ高まっているようだ。「大事なことは紙に記録」する傾向が高まる中、特定の用途に特化した書式など、ユニークな機能を持つ高額ノートはまだまだ人気を集めそうだ。人間やっぱり最後はアナログか!?

| 12.04.13

タブレット美術館

Googleは4月3日、世界各地の美術館をネットで見られる「Google Art Project」を拡大し、40カ国151の美術館を見られるようになったと発表した。東京国立博物館、ニューヨーク近代美術館(MoMA)、インドのデリーにあるNationalGallery of Modern Artなども加わり、現在3万点以上の所蔵品の高精細度画像と、46の美術館内のストリートビューが見られるようになっている。また、年代やアーティストで検索できる機能や、Google+との連携機能も追加した。しかも、「ギガピクセル」級の作品映像が46点もあり、実物では見られないような細かい画家の筆のタッチまで詳細に閲覧できるという。これにAppleのアプリ「Touch theMuseum」のような音声ガイドがあれば、バーチャルミュージアムはほぼ完成と言えるのかもしれない。もみくちゃになりながら、流れ込むようにして絵画の前をチラ見で通り過ぎる・・・そんな大混雑の美術鑑賞は意味がなくなり、深夜でもゆっくり、しかも無料で鑑賞できる「Google Art Project」の存在価値は大きくなりそうだ。絵の香りや質感は実際に見なければ味わえないものだが、これからは美術館や展覧会でのリアルな鑑賞の仕方も大きく変わってくるだろう。
一方、3月に発売された新型「iPad」。その特徴は高精細度画質のRetinaディスプレイと 背面カメラが500万画素になったこと、そしてLTE(4G)対応になったことだ。一部動画配信サービスからは、どんどん高精細度画像が送られてくる為、LETでは自動的に従量制に移行する米国の通信キャリア利用者から、高額通信料金の悲鳴が上がる大騒ぎになったとか。そうした中、ソニーやサムスン電子なども新製品を相次いで投入してきており、Googleも5~6月ごろに安価なタブレット端末を発売するらしい。タブレット競争は一段と激しくなりそうだ。
「Google Art Project」は、まさにタブレット端末やスマホに打ってつけの機能と言える。そのお陰か今年のタブレット端末の出荷台数は、2年前の4倍となる見通しで、今後も、右肩上がりに伸びると予測されている。爆発的な普及に伴い、通信量も膨大になり、Wi-Fi通信のインフラ整備が国力やリビングスタンダードのバロメーターになる時代、通信速度が神経細胞に近づいた時、バーチャルでも「現実」という世界がやって来るのだろうか??

| 12.04.06

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