てへぺろ
今ネット上で多用され、注目浴びている言葉に「てへぺろ」というのがある。「てへ」という照れと 舌を出している「ぺろ」をドッキングさせた言葉で、今年に入ってから雑誌で取り上げられたり、ソフトバンクのCMでも使われている。もともとは、声優・日笠陽子が考案した持ちネタだった。2~3年前から、彼女が出演するラジオ番組や 自身のブログ『日笠陽子のひよっ子記』で「てへぺろ」を多用したのがきっかけで各所で使われる様になり、昨年テレビやブログで芸能人が使い始め、ついにはギャル語となって普及してしまったというわけだ。
ネットで流行った言葉がこのように一般語する例は少なくない。最近では、「女子中高生ケータイ流行語大賞2011」で、金賞になった「リア充」もそのひとつ。「リア充」は、ネットに入り浸っている人の中で、リアル(現実)の生活も充実している人を指して使用するネットスラング。最近ではネットを介さずに使用することが増えており、その場合の意味は、主に恋人がいる人を指すことが多い。他にも友人関係や仕事、趣味など毎日が充実している人を指して使用されているようだ。
また、「捗る(はかどる)ぞ」も。「捗る」自体は元々ある言葉だが、2008年の「ファイラー使えよ 色々と捗るぞ」が語源ではないかといわれている。その後、何かの情報を得て効率的に物事が進む様になったのを「○ ○しろよ。色々と捗るぞ」などと書き込むユーザーが多くなった。ひらがなではなく漢字で「捗るぞ」と書くのが特徴で、「進捗」の「捗」であるため、正確に読めない人も多数いるようだ。
ネットの中では、一般のしゃべり言葉とは違った形で新しい言葉がどんどん生まれている。新しい表現を創り出そうという意図から生まれた言葉もあれば、誤入力や偶然の誤変換によって偶然できた言葉が、その語感が新鮮な為に広く使われるようになったりもすることもある。これらの言葉は、ネットコミュニティの中では、親しみやすさや砕けた雰囲気を作り出すのに効果的に作用している。一般のしゃべり言葉で普通に使われ始めた時には、既にネットでは古くなっている場合も多いが、ネット社会から発信される心模様の表現力は、今や大きく日本語を変える力を持ってきている。
| 12.02.24