コ・ランチング
見ず知らずの人たちが一緒の食事をすることだけを目的に集まる、フランスで始まったコ・ランチング(Co-lunching)が注目されている。
サイトページには、日時、レストランの名前と住所、店の写真とおおよその予算が明記されており、予約制である。当日は皆が揃った所で、それぞれ自由にメニューを選び、会計もまた自分のものだけを持つ。メンバーは8人以内に調整されていることが多いそうだが、20代から50代前半ぐらいまでの年齢構成で、勿論男女の区別はなく、多彩な顔ぶれらしい。フランスでは、約2200万人の人が、ひとりで昼食をとっているという。ざっと人口の3分の1ほどの割合になる。
日本でも昨年、全国大学生協連(東京)の学生生活実態調査で、大学生の3割が一人で昼食をとる、学生の「孤食」実態が明らかになった。職場でのひとりランチは、圧倒的に男性が多い。第一生命経済研究所のアンケート調査では、昼食を一緒にとる相手として、女性は「同性の同僚」が62.5%と最多なのに対し、男性は「ひとりで食べる」が50.2%とトップだった。家庭の主婦を含めたら、日本もひとりランチ人口は相当数になるのではないだろうか?
おろそかになりがちな昼食だが、ひとりの殻から抜け出して、しがらみもなく自由に一期一会のランチタイムの機会を持つことには、意外とニーズがあるのかもしれない。自分のネットワークにはない、違うタイプの人に会いたいという欲求を満たすこともできる。フランスで生まれたコ・ランチング(Co-lunching)のシステムは、すでに国境を超え、イギリス、アメリカ、さらにはアジアにも広がりつつあるそうだ。
政権が苦難続きになるにつれて、最近よくひとりぼっちで昼食をとっているらしい某国首相も、コ・ランチングしてみては?
| 11.07.17