母性カリスマ
マザー・テレサとレディー・ガガの“経営手腕”を評価した、「Mother Teresa, CEO」と「Lady Gaga - Born This Way」が相次いで出版され、話題を集めている。
「世界で一番影響力があるセレブ」と言われるレディー・ガガは、原発事故のさなかに来日し、全世界にむけて「日本を愛している」とアピール。今日本で人気沸騰中だ。彼女は、日本の大地震と津波発生を受けて間もなく、オリジナルのチャリティー用ブレスレットを作り、ホームページ上でファンに購入を呼び掛け、販売開始から48時間で25万ドルもの義援金を集めた。自身の収入も1億ドル以上とされている。
一方、マザー・テレサは、多額の寄付金を集めて世界中に慈善施設を作ったことで有名だ。貧しい人々のために一生をささげ、“聖女”とされながらも、人の心理を熟知しマーケティングにたけた“起業家”でもあった。1回のチャンスを最大限に使って施設の運営や貧しい人たちを助ける資金を最大限に作り出すということでは、レディー・ガガとともに達人だ。
一般的に2人のイメージはかなり異なるが、実はビジネスマンとして学ぶべき共通点が多い。まず、2人のアウトサイダーとしてのイメージ。マザー・テレサは「貧しい人の味方」、レディー・ガガは「変わり者」と、シンプルかつ明確に定着させることで、自らを“ブランド”化することに成功している。勤勉で、コミュニケーション能力が高いという点も共通している。更に、とりわけ彼女たちは、それぞれが持つ連帯感や使命感を支持者やファンが共有するように常にアピール“宣伝”することによって、そのカリスマ性を高め続けてきた。
そして究極は、そのカリスマ性の内面に“母性”を秘めているところだろう。“母性”は容易に“政治”を超えるというが、それが2人が決定的に世界中で支持されるゆえんだ。「母性は偉大?」
| 11.06.27