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在来野菜

最近、いろいろなところで日本の農業について話題になることが多い。中でも、野菜の在来品種が生きた文化財であるという認識に、関心が集まってきている。在来種の野菜を「おいしい」と感じる人が増え、そのおいしさは正直な体の反応であり、在来作物が体に合っているということも、切実に感じられてきているのだ。
「在来種」とは、原種(遺伝子操作などをされていない、自然種に近いタネ)を使って、同じ土地で10年以上、栽培されてきた作物のこと。その為、その土地の気候、風土、歴史、資源など地域の特色を活かしながら代々受け継がれているので、故郷・自然など心のゆとりを感じさせる存在にもなっている。今、その特徴的な形態や品質とともに、来歴やなぜ今日まで栽培されてきたかというストーリー性が魅力になっている。
これまで、在来作物は高度成長期以降、経済効率や生産効率などを求めて商業品種に置き換えられてきた。しかし、これからはこうした在来作物生産などが見直され、専門性を持つ営農意欲のある、健全な農業者の為の基盤づくりが進んでいくだろう。自信を持つことが、日本の農業にとっては重要だとする意見は多い。中国産の野菜は内需が膨らみ、値段は高騰している。日本の農業は自信を持ちさえすれば、TPPを恐れることはない。
農家に所得を補填さえすれば農業が成長するという農政に固執しても、そこに未来はないと思う。

| 11.03.08

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