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国産資源
太陽光と海にほぼ無尽蔵に含まれるマグネシウムを使って、石油も石炭も天然ガスもいらない持続型エネルギー社会を実現する…東京工業大教授矢部孝氏が提案する「マグネシウム・エネルギー社会」が注目されている。
また、「燃える氷」とも言われるメタンハイドレートは、夢の国産資源として実用化に向け着実に前進している。さらに、昨年12月に、沖縄の海で採れた藻類から従来の10倍以上も「石油」生産能力の高いタイプが発見されたと発表があったことで、将来は燃料油としての利用が期待されている。この藻類は水中の有機物を吸収して増殖するため、生活排水などを浄化しながら油を生産するプラントをつくるという一石二鳥の構想もあるそうだ。
大きな災害をもたらした海だが、日本近海には想像以上の資源が眠っていたことが、ここ数年来の資源の逼迫、世界中で起こった資源ナショナリズムへの高まりから再認識されてきている。
原発事故や計画停電などで「これからのエネルギー」を考えざるを得ない今、
国産資源の夢を現実に変える後押しのパワーになれば、「災い転じて福となす」ということだろう。ロシアや中国が狙うように日本領海内に化石燃料資源がないと諦めるのも早いだろう。戦後最大のタブー「アメリカからのエネルギー自立」を打ち破る大義名分が揃ったとポジティブに考える時だ。
海外のアナリストらの間では、膨大な債務を背負う日本が震災復興資金をどのように捻出(ねんしゅつ)するのかにも関心が集まっている。これから発生する膨大な財政支出を財務省は認めざるを得なくなり、それによりインフレが進行するとともに円安に振れてくる・・・これは日本の経済界が望んでも過去できなかった事だ。これをマイナスと捉えるのではなく、平時ではとてもできない「経済復興の為だからこそできる大英断」になると捉えたい。
| 11.03.28
SMSリベンジ
携帯電話番号でメッセージを送り合うことができるSMS(ショートメッセージ)は、海外ではキャリアを跨いで普通に使われているが、日本ではキャリア別携帯メールが普及している為か、あまり使われていない。
SMSの利点は、何と言っても相手の携帯電話がアドレスであるという点。機能はキャリア別携帯メールとほとんど変わらない。最近のスマートフォンであれば、送信メールと受信メールが吹き出しで会話しているかのように表示されるので、国際携帯チャットとして利用するとビジネスにも有効である。
SMSには、かつてスパムが爆発的に増えた為に携帯メールに完全に凌駕されてしまったという経緯があるものの、被害が沈静しスマートフォンが普及していく今、SMSと携帯メールの立場は逆転しつつある。別途アドレスが必要な携帯メールは、国際的にはすでに完全に孤立している。
今回の災害で改めて、通信が集中する災害時の携帯電話の弱点と、ガラパゴス化が露呈してしまった。しかし、SMSは国際的に標準化されたパケット通信なので、軽く安く全世界とすぐ繋がることができる。日本の「ケータイ」がキャリア間の壁などでガラパゴス化していると、被災者のレスキューもできない上に、日本滞在の外国人の命綱にもなれない・・・反省!
| 11.03.21
ワンピース・マインド
週刊少年ジャンプの連載漫画「ワンピース」は、連載開始から14年、昨年11月に発行部数累計が2億部を突破し、国内最高記録を更新し続けている。「ワンピース」は、主人公の少年ルフィが海賊王を目指し、仲間を得ながら“ワンピース”という財宝獲得を目指す海洋冒険物語だ。「ワンピース」の魅力は、登場人物が仲間を大切にするところだったり、仲間のために敵に立ち向かうところだ。読者は、若者が努力しても報われない今の社会状況と重ね合わせて、挫折やトラウマを抱える登場人物たちが、仲間との絆を強めながら、過去の欠落感を埋めながら未来に向かっていくところに共感しているのだという。
ワンピースの由来は「一つになる」「一丸一体になる」という意味だとか・・・今回起きた「東日本大震災」で、大勢の人たちが被災している中、多くの日本人が我慢強く、整然と、一体となって復興に向けて動き出している。そうした根底には、幅広い読者の心をとらえ続ける「ワンピース・マインド」があるのだろう。
しかし、福島第一原発の危険度を示す政府の避難情報が、一民間企業である東電発の情報に頼って避難地域を設定しているのは、あまりにも責任回避的でありお粗末ではないか?日本政府の独自の調査データの発表がないことに対し、救援に入っている各国政府やIAEAの不満が高まっている。各国政府の救援隊への避難情報と、日本政府の被災地への避難情報が大きく乖離しているのは異常だ。おとなしい日本国民の「ワンピース・マインド」に頼るのはいいが、日本政府は各国の救援隊の安全確保にも責任があることを忘れてはならない。すべての国の救援隊と被災地の人々を「ワンピース・マインド」でつないでこそ、日本のリーダーは真にルフィになれるのではないだろうか!?
| 11.03.14
在来野菜
最近、いろいろなところで日本の農業について話題になることが多い。中でも、野菜の在来品種が生きた文化財であるという認識に、関心が集まってきている。在来種の野菜を「おいしい」と感じる人が増え、そのおいしさは正直な体の反応であり、在来作物が体に合っているということも、切実に感じられてきているのだ。
「在来種」とは、原種(遺伝子操作などをされていない、自然種に近いタネ)を使って、同じ土地で10年以上、栽培されてきた作物のこと。その為、その土地の気候、風土、歴史、資源など地域の特色を活かしながら代々受け継がれているので、故郷・自然など心のゆとりを感じさせる存在にもなっている。今、その特徴的な形態や品質とともに、来歴やなぜ今日まで栽培されてきたかというストーリー性が魅力になっている。
これまで、在来作物は高度成長期以降、経済効率や生産効率などを求めて商業品種に置き換えられてきた。しかし、これからはこうした在来作物生産などが見直され、専門性を持つ営農意欲のある、健全な農業者の為の基盤づくりが進んでいくだろう。自信を持つことが、日本の農業にとっては重要だとする意見は多い。中国産の野菜は内需が膨らみ、値段は高騰している。日本の農業は自信を持ちさえすれば、TPPを恐れることはない。
農家に所得を補填さえすれば農業が成長するという農政に固執しても、そこに未来はないと思う。
| 11.03.08
クッキー銀行
商業銀行などから融資を受けることができない発展途上国の企業家や個人に対して、インターネットを通じて世界中の個人投資家が無利子で融資するシステム“Kiva”は、アメリカから始まり、世界中で広まっている。返済率は98%と高く、投資家はその返済金でさらに別の投資をするなど、双方にとって有意義な融資が行われているという。スウェーデンでは、“Kiva”に参加する投資家たちの交流の場として、お菓子を囲んだ「カークバンク(クッキー銀行)」と呼ばれる独特な集会が開かれているそうだ。お手製のクッキーやお菓子を食べてお茶をしながら、どの国の誰に融資するかなどを話し合ったり、成功談を聞いて投資の参考にしたり・・・リアルに投資家同士の輪を広げるとは、なんとも楽しそうだ。
“Kiva”の代表であるPremal Shah氏も、“Kiva”は「助ける手を差し伸べた人たちや、助けてもらった人たちからのフィードバックも、有効かつ強力に生かしていかなければならない。重要なのは、会話と参加性の持続だ。」と。さらに「“Kiva”は、個人の自己実現を助けるサイトだ」とも言っている。
ネット上で類似するネットゲーム“農業ソーシャルゲーム”でより優秀な仮想肥料を購入して楽しんでいる人々は、視点を変えて本物の農園にほんのちょっと手(お金?)を貸すだけで、ほかの人たちの人生を大きく変えることができるという満足感を、“Kiva”を通じて味わってみてはいかがだろうか?
Kiva Microfunds (commonly known by its domain name, Kiva.org) is an organization that allows people to lend money via the Internet to microfinance institutions in developing countries around the world and in the United States, which in turn lend the money to small businesses and students.
Kakbank, The Cookie Bank, is the sweetest bank in the world! We hook up once a month and eat cookies and invest in microcredits in developing countries.
| 11.03.01