散歩志向
散歩好きの人が増えている。気がつくと、テレビ朝日の『ちい散歩』、テレビ東京の『モヤモヤさまぁ～ず2』、日本テレビの『ぶらり途中下車の旅』、そしてＮＨＫの『家族に乾杯』や『ブラタモリ』と、いわゆる“散歩番組”もじわじわと増えてきている。労力とお金をかけて海外に行くより、近場を無目的にぶらぶら歩く方が、自分なりの発見があって面白いというのが、視聴者が散歩志向になる理由のようだ。
一方、海外の街並みをぶらぶらと歩く散歩番組、ＮＨＫの『世界ふれあい街歩き』も隠れた人気番組だ。ガイドブックに載った名所めぐりの海外旅行ならば、わざわざ行く意味はない。散歩番組のように、海外の街であっても、そこでの日常や人々との出会いを通じた発見をしたい・・・という、散歩願望があるのだ。
世界中変化の激しい時代だが、その一方で淡々と連綿、昔から続いてきた日常の風景があり、太い糸のように紡がれてきた当たり前の暮らしというものがある。制作側、視聴者側双方の経済的理由というものも背景にありそうだが、日常の大切さを知る事になるのならば、不況も悪いものではないのかも知れない？？
| 11.02.21
